2019.10.03

HAND CRAFT

手断ちは最も神経をすり減らす作業の一つで熟練の職人の技が必要とされます。バッグの仕上がりを左右する肝心な作業でもあります。SLOW(スロウ)で使用している栃木レザー社製のフルベジタブルタンニンレザーの上に型紙をおき、ずれないように重しで固定します。右手に握った包丁をスッと型紙通りに滑らせていきます。SLOW FACTORY(スロウ ファクトリー)の職人はバッグ創りに40年以上携わってきたプロフェッショナルです。バッグのディテールに影響する微妙なアールも寸分の狂いもなく裁断していきます。そのような難しい作業にも関わらずスムーズな包丁裁きに思わず見とれてしまうこともあります。難しいことを簡単にやってのける、まさに熟練の技です。「包丁だけは自分専用のものでなければいけません。」と職人が語るように、手断ちに欠かせない包丁には職人の心が宿ります。しっかりと砥石で刃を研ぎ、丁寧に手入れされた包丁は40年以上使い込まれたものもあります。包丁の刃が短くなるごとに、職人の腕が上がって行きます。使い込まれ、刃が短くなった包丁はまさに職人の技術と歴史を物語っています。